「プロダクトとユーザー」「組織とメンバー」にみる類似性
ユーザとの対話、傾聴、行動観察からこそ課題発見と解決策がうまれる。
これは、プロダクトのみならず組織も一緒なんやでという気づきのお話。
特にこの半年、過去の失敗を糧に組織としての目的や、どうありたいかを考えながら試行錯誤してきたように思う。
それこそもっと早く打ち手をだせればと思うこともあれば、よいアプローチができ気づきを得ることもある。
ただ総じて、チームで動くことを考えるとき、チームの成果を最大化し、かつやりがいをもち働ける環境を作ろうとすること、そしてチームで改善しながら自律的に成長し学習するチームになっていく過程は学びが多くとても楽しい。
そのなかで点と点が繋がることがあった。
それは、組織とメンバーの関係は、プロダクトとユーザーの関係と根っこの部分は同じなのだろうということ。
ユーザーにもメンバーにもある目的がありモチベーションがある。
組織にもプロダクトにもゴールがある。
ゴールに近づくべく、課題に対して仮説たて検証してPDCAまわしていく。ときにゴール自体を見直しながら。
また、自分自身も組織やチームに対するユーザーであり、かつメンバーそれぞれが組織の設計者たりうる。この視点は別の視座を与えてくれる。
きっと人によってはなにを当たり前のことをと思われるかもしれないのだが、点と点が繋がる感覚をもてたとき、理解できたとき、それは本当に楽しい瞬間だなと思う。ありがたい。
引き続き精進していきたい。
『君たちはどう生きるか』の漫画版を読んでみた
『君たちはどう生きるか』の漫画版が王様のブランチに取り上げられていた。何でも70万部突破らしい。ぱやお師匠のこの著作をモチーフにした映画化も決まっており勢いは加速するだろう。
本作は、内容もさることながら、言論統制が進む1937年に未来の子供たちにむけて書かれている。そんな時代背景を加味するとなおさら味わい深く人間への愛のつまった著作だ。考えをおしつけるような安易な本ではなく、ひとつのものさしを提供してくれる。
色々気付きを与えてくれる点はあるのだが、個人的に一番好きなのは人間は元来弱いものなんだという視点。性悪でも性善でもなく弱い生き物。そんな分子がどうこの社会を作り上げてきたのか、人間の本当の強さとはなにかを語りかける。
漫画版から伝わる原著吉野源三郎さんへのリスペクトは気持ちがいいものであった。この本がきっかけで、人々が内省する機会が増えればそれは多くの人に利益となると思う。
その一方で昨今の情勢を鑑みるに、なにかフラグめいたものを感じてしまったのも事実で、よくないと思いつつ訝ってしまう。杞憂あらんことを切に願う。
さて、ぼくたちはどう生きるか。
あなたはどう生きるか。
本何をなすかも大事だしどうしてもそこに注目されがちな世の中であるが、本書を片手にHOWを振り返ってみる、その背後にあるなぜに迫ってみるのはいかがだろうか。
チームにおける心理的安全性の役割の簡易調査と検討
心理的安全性について色々調べてみた。
個別個別で意識はしてたことはあったが、改めて『心理的安全性』として概念化されたものを見てみると、大切なことが色々見えてきた。
心理的安全性とは、自分の言動が他者に与える影響を強く意識することなく感じたままの想いを素直に伝えることのできる環境や雰囲気のこと
心理的安全性とは?googleが発見したチーム生産性を高める唯一の方法 | BizHint HR(人事の悩みにヒントを届けるニュースサイト)
マネージメントな本には、概念的なものからテクニック的なものまで色々書いてあると思うのだけど、チームで進める上で『心理的安全性』と定義されたものの重要性とその定義は、個人的にかなりしっくりきた。
ミレニアム世代やいわゆるゆとり世代など、なんだか今の若いこと仕事やる上では特に大切な概念な気もしている。
やや無理矢理に式にすると...
全くもって自分用ですが、ざっとこんなかんじかな?とか考えていた。イシュー設定がずれていないことは大前提とした上で、
成果を最大化する最適な組織デザイン
=
役割が明確かつチームとして動ける最小単位以上の人員体制
×
心理的安全性の担保(会議体、モチベーション設計ふくむ)
×
戦略戦術を仮説検証できる透明性ある施策の進め方(進め方の仕組み化、オープン化)
×
メンバーの能力(開発・デザイン・ディレクション等各技能)
×
適切な役割分担(動機付け、OKR設定)
みたいな。
Googleさんのまとめたものがあった。信頼性は心理的安全性とセットかと思ってた。インパクトは、取り組んでるイシューの質と内外への認知ってとこだろうか。
グーグル社はアメリカの大手通信社であるAP通信(Associated Press)との共同研究結果として、2015年11月に自社の情報サイト『re:Work』上でチームを成功へと導く5つの鍵を公開しました。
心理的安全性(Psychological safety)…不安や恥ずかしさを感じることなくリスクある行動を取ることができるか
信頼性(Dependability)…限りある時間を有効に使うため、互いに信頼して仕事を任せ合うことができるか
構造と明瞭さ(Structure & clarity)…チーム目標や役割分担、実行計画は明瞭であるか
仕事の意味(Meaning of work)…メンバー一人ひとりが自分に与えられた役割に対して意味を見出すことができるか
仕事のインパクト(Impact of work)…自分の仕事が組織内や社会全体に対して影響力を持っていると感じられるか
チームを成功へと導く5つの鍵の1つとして心理的安全性の名前があげられていますが、グーグル社はこの記事の中で『(成功するチームに含まれる単なる1要素ではなく)心理的安全性はその他の4つの力を支える土台であり、チームの成功に最も重要な要素』であると綴っています。
心理的安全性とは?googleが発見したチーム生産性を高める唯一の方法 | BizHint HR(人事の悩みにヒントを届けるニュースサイト)
その他、心理的安全性については下記記事がわかりやすかった。
心理的安全性について本気出して考えてみたら普段やってるチーミングの話だった #DevLOVE // Speaker Deck
雑多なログを読んでくださり、ありがとうございました。
読書ログ『僕の会社にもっと来なさい』
ふとしたきっかけで『僕の会社にもっと来なさい』という本を読んだので雑多なログ。
小さく四連敗からの四連勝。すきを仕事にしたシリアルアントレプレナーな会長の経営論。
LAVAや喫茶げらげら、フィールサイクルなどが有名な会社の立ち上げの話や組織の話を失敗を交え赤裸々に記載するのはいまの会社に自信があるからなんだなと。
あとは雑多なログです
組織の失敗
おもしろければなにをしてもいい、は会社の私物化を招く。そうなってしまった理由は下記。
- 戦略なき自分
- 共有できなかった目標や理念
- 言わなくてもわかってもらえるだらうと自己完結した甘さ
- その甘さがもたらした、組織の腐敗た社員の離反
新規事業の成功と失敗を経て
- 石橋を叩いて叩いて叩いて、確信抱くまで、熟考しないケースが多いと8割はだめ
- リサーチよりも疑似体験。なぜそこが繁盛しているのか分析できるようになるまで体験
- とことんはるときははるし、我慢するときはヒットの匂いを確かなものにするまで耐えて耐えてこそ新規をやるって気概と実行
- 事業がとことんだめなときも信じてあの手このてで粘り強くできるかどうか
- 企業や事業のトップはその時々に適した人物を。
贈与がスキマを生み出す『うしろめたさの人類学』
『うしろめたさの人類学』を読んだ。
言葉選びが繊細で明確で素敵な本。とても読みやすく知的好奇心の溢れる本で楽しい。
贈与に見いだす可能性
本書は文化人類学者の著者が、エチオピアでのフィールドワークの体験を通して「経済」「感情」「関係」から紡がれる「社会」にたいして、「国家」「市場」という「世界」との断絶また、その間にあるスキマを見つける試みを説く。
「世界」は「国家」や「市場」により構築され、「交換(商品と貨幣を中心としたもの)」を通して成り立つ。ただ、それだけではなく、個個人の「脱交換(贈与)」から作り出せる「関係」性(家族、友人など)がもたらす、「社会」、またその「社会」を個個人が構築する力に目をむける。
「世界」のなかに「社会」を作り出す力。贈与という行為をとおして、自由に息を吸うためのスキマをつくる力=自分達のもつ構築力と定義づけるが、これはいかようなものか。
枠組みとしての文化人類学=構築人類学?
勝手な解釈であるが、構築人類学は、尺度や視点、思考の枠組みを与えようとする対象への観察から一歩踏み込んだ学問だと感じた。
今回なら、交換と脱交換(贈与)の生み出す関係、世界と社会の紡ぎかたについて。
著書のなかでの結論の先を作り出してくのは一人一人の行動だし、特に経済の一端を担い価値提供するものとして僕たちはどう捉えることができるだろうか。
どう現実に活かしていくか
僕ならアプリサービスを担うものとしてUXとしてのプロダクト体験もそうだし、戦略としてプロダクト体験をみたときに文化的な状態、また影響を考慮する。
サービスの提供者と受け手を繋ぐ交換を媒介するプラットホームをつくるとして、そこに脱交換の余地はあるのか、またその必要性はあるのか、それはユーザーにとって望ましいことなのか。
贈与的な価値は、値段にするとインフレないしデフレする
例えば、メルカリにあるのは、交換だけでなくて、脱交換(贈与)的な要素、文化が多分にあるなーってのは他サービスにおいてもヒントになりそう。
メルカリで送るときに粗野につつんで送ろうとしたら奥さんに咎められ、きちんとラップした。
これって交換ってよりも贈り物に近いからであり、メルカリのフリマ的コミュニケーションはオークションや単なるECよりやはり半贈与的。
それは「そんな高くなくてもいいからほしい人にもらってもらえれば」といったかたちで、プライジングにも表れていそうだ。
それは贈与的な交換を促進することになる。
インフレの例だと冠婚葬祭とかって一人あたり基本的に一回きりだから高いとおもっていたのだけれど、贈与性なるものが金銭と対価の交換の外にある影響が多きそうだ。
文化人類学的知見は、もっと吸収したいし楽しいなと思わせいただいた入門書だった。